看板屋にでもなろっかな。
7年前にオープンしたときからある、パン屋の看板。
腐ってもげてしまったイーゼルの片脚と、
ゆるんで抜けてしまった支柱のホゾは、
痛々しくガムテープで固定され、
店主が「血を流しながら」打ち付けたラティスは、
釘の頭が曲がり、
もはや長さが届いておらず、パカパカ浮いてる状態。
先週続いた強風で、バッタンバッタン何度も倒れる。
さすがに、「もしかして、もとアライさんの得意分野?」
という話が出る。
家に持ち帰った以上、
継ぎ脚とかみみっちい補修で騙すわけにもいかず、
折れた方の脚は新しい材に替えて、バラして組みなおす。
ゆるんだホゾは、
薄板とボンドとクサビでがっちり固定。
いらない釘は全部引っこ抜いて、
全体的にガサガサになった肌をペーパーで磨いて、
手持ちのオイルで塗装しなおしてあげた。
7年の歴史を大切にしてほしい。
丈夫に、つややかに甦った。
ひょんなところで、前職での経験が人の役に立つ。
お礼にパンたくさんもらえて嬉しい。