風鈴と、枝豆の箸置きを出した。
一年前、「新生活のために」と購入した嫁入り雑貨のひとつ。
風鈴の包みをようやく開けた。
鉄器デザイナーの岩清水久生さんの作品。
南部鉄の、モダンな質感もさることながら、
和紙に、墨のひと筆書きがデザインされた短冊がいい。
たしか5種類くらいの中から選ぶことが出来て、
どれも良くて、ずいぶんと時間をかけて選んだのを覚えている。
結婚前の最後の無駄遣い、と焦りつつ、
好みの高価な日用品を、一人で買い揃えていたこの頃。
三谷龍二さんの木のバターケースを注文しに行った「にっぽんフォルム」の店頭で、
この風鈴をひと目で気に入って、
その音色にも満足して、
迷わず手に入れた。
いや、もしかしたら、
前々から、この手のショップ、もしくは雑誌などで見かけて、
頭の中にインプットされていたのかも。
もともと持っていたガラスの風鈴が、
ストンと手から落ちて、割れてしまったときも、
「割れる心配のない、鉄製のカッコイイ風鈴を買う口実ができた」
と、不思議なくらい平常心で、次を考えていた気がするし。